型枠工事の品質管理とは?どのようなことを行うのか?
型枠工事は、コンクリート造の構造物や建物を建造する際に重要な工事です。
そのうえ、非常に高い精度が求められ、工事全体の成功や失敗を握る工事でもあります。
そのような型枠工事の品質を管理するために様々な内容の品質管理がされています。
今回は、型枠工事の品質管理の概要を紹介し、安全管理にも触れながら紹介していきましょう。
そもそも品質管理とは何か?
品質管理とは、品質を管理し保証する行為で、次の3つの目的が挙げられます。
1・検査や検証
2・品質の保証
3・効率よく行われているかの確認
まず、品質管理の最初の目的は、品質を備えているかどうかを検査したり、確認したりすることです。
人の目であったり、計測器具であったり、装置を使用した機械による評価によって検証を行います。
これによって品質の状態を確認していきます。
次に品質の状態を確認することで、問題がなければ品質の保証を行います。
品質の保証といえば、品質保証と呼ばれる言葉をイメージしますが、品質保証は製品やサービスの品質の保証のみを示すものです。
そのため、品質管理が示す確認作業などは含まれません。
品質保証の例として、「ISO9001」など具体的な工程について逐次チェックしないものの、品質が保証できる製品やサービスが提供できると判断したものについて品質保証するといったものが挙げられます。
最後は、品質だけでなく、効率よく行われているかどうかを確認します。
いくら品質が高くとも、問題がないものであっても、非効率で進められるものは、決してサービスや商品を提供するのにふさわしいものではありません。
そういった観点から、品質の検査や検証を行いつつ、非効率でないか確認をしているのも品質管理の重要な作業であり、目的です。
以上の点は、顧客に商品やサービスを提供するすべての品質管理に対して行われるもので、型枠工事も例外ではありません。
次の項目では、型枠工事の品質管理について工程や具体的な確認事項について見ていきましょう。
型枠工事の工程で行われる品質管理
型枠工事の工程で行われる品質管理は、次のものが挙げられます。
1・施工図の確認
2・施工前の検査
3・施工中の検査
4・型枠解体後の検査
まず、受け取った設計図をもとに型枠工事向けの施工図を作成していく作業があります。
この施工図において強度計算書を確認し、施工図自体が設計図の構造物を作るのに可能なものかどうかを確認していきます。
施工図を正確なものにすることで、施工時の精度は大幅に向上するため、重要な品質管理の作業です。
次に施工する前の現場でも型枠工事の品質管理が行われます。
墨出しの確認や持ち込まれた部材の確認です。
墨出しは、型枠の目安となるラインを引く作業です。
引かれた墨出しの親墨(墨出しをする際の基準線。墨出しで最初に出す墨)が問題ないものか確認したのち、子墨(しずみ、こずみ、具体的な墨出しの線)の作業に移ります。
そして、子墨についても確認をしていき、問題ないかをチェックします。
墨出しの品質管理ができたら、次は搬入された部材に問題がないか確認し、検査していきます。
準備が整って実際に型枠工事を進める場面になったら施行中の品質管理に移行していきます。
たとえば、型枠の目地位置の検査や隙間の厚さの確認なども行われます。
さらに型枠を支える柱などの支保工(しほこう)のゆるみの有無などの強度チェックなども実施されるのです。
また、図面に対して忠実に再現されているかも検査していくのも重要で、こちらも確認していきます。
コンクリート打設が行われて、型枠の解体が完了したあとも型枠工事の品質管理が続きます。
柱の高さが設計図通りになっているかといった完成後の状態に対しても確認されるのです。
以上が型枠工事の品質管理です。
型枠工事の品質管理をするための確認事項
次に具体的にどのような点をチェックするのか、次のポイントを例にみていきます。
1・材料
2・材料加工
3・組立
4・コンクリート打設
5・解体
まず、型枠工事に用いる材料に対して、せき板や支保工、金具の数量、強度、形状などをチェックします。
再利用されているものは、破損や変形がないかも見ていきます。
次に材料加工として、せき板の形状や強度を検査します。
加工で強度が低下することもあるので、そういった影響がないかを見るのです。
組立時は、材料の位置、精度を確認していきます。
すき間の有無や固定の状況について検査もするのが重要です。
コンクリート打設時は、コンクリートの漏れや型枠の変形が発生していないか逐次確認します。
型枠解体後の品質管理としては、表面の仕上がり、精度、鉄筋の被りの厚さを見ることが重要です。
このようなポイントを意識して品質管理していくのです。
型枠工事の安全管理も重要
型枠工事の安全管理も品質管理と並んで重要です。
どんなに精度の高い型枠工事をしても労災事故などが発生してしまっては、意味がありません。
この安全管理とは、型枠工事での事故を防ぐことです。
特に型枠工事では、重機の出入りやクレーンでの部材の移動だけでなく、危険な工具を使用した作業なども少なくありません。
また、足場を使った高所作業なども含めると、危険個所は多岐にわたります。
こういった工程や環境に対して、安全を確保するために型枠工事の品質管理と並行して安全に施工できているか、あるいはこれからも安全が確保できるかといった確認を行っていきます。
問題を発見した場合は、未然に改善策を講じて安全な型枠工事を目指していくのです。
品質管理を行いつつ、安全管理を追求するため、型枠工事の施工にあたっては工事以外にもこういった管理の業務について重要なウェイトを占めていることがわかるでしょう。
もちろん型枠工事に限らずすべての建設工事に言えることで、型枠工事のほかの工程とも連携しながら安全管理を実施していくことが重要です。
まとめ
型枠工事の品質管理は、品質が保たれているか、効率よく施工されているかといった2つの確認や検査、そして品質を保証するといった3つのポイントで構成されています。
これらの品質管理を行いつつ、安全に施工を進めるための安全管理も重要で、型枠工事では日夜これらの管理が行われています。
熊本県の型枠工事は有限会社有働建設工業にご相談下さい。
会社名:有限会社有働建設工業
住所:〒861-8002 熊本県熊本市北区弓削3-21-10
TEL:096-338-0351
FAX:096-243-0031
営業時間:8:00~17:00 定休日:日曜日
業務内容:型枠工事