型枠工事の重要部材!せき板とはどのような型枠の部材なの?
コンクリートを流し込む型枠を合板などで組み立てて、コンクリートが固まったら解体するといった施工をしていくのが型枠工事です。
この型枠工事では表面加工などをはじめとした技術を用い、さまざまな部材を使用します。
その中にせき板と呼ばれる部材があります。
今回は、せき板について解説し、建築で重要な型枠工事について説明しましょう。
型枠工事で用いられるせき板とは
型枠工事で用いられるせき板とは、直接コンクリートに接する板部分の部材をいいます。
型枠工事で組み立てられる型枠の部材には、このせき板とせき板を支える支柱などの支保工(しほこう)、そして支保工とせき板を固定し、テンションを加える締め付け金物があります。
これら3種類の部材が1つでも足りないと、型枠工事は施工できません。
つまり、せき板は型枠工事になくてはならない重要な部材といえるのです。
せき板の役割
コンクリートに直接触れるせき板の役割は次の2つが挙げられます。
・コンクリートの成型
・コンクリートの重量に耐える
これらについて見ていきましょう。
コンクリートの成型において重要
せき板の最も重要な役割としては、直接コンクリートの形を整えるという点が挙げられます。
せき板の形状によって、その通りにコンクリートが凝固して成型されるため、建物の形を決めて機能性を持たせるという意味で必要不可欠といえます。
コンクリートの重量に耐える
せき板には、コンクリートの重量を直接受け止める役割があります。
コンクリートは、密度も高く質量も重いため、支える部材には相当な圧力がかかります。
これを分散させ、周囲に流出させないという意味で、せき板は重要な役割を果たすのです。
コンクリートの重量に耐えるものとして支保工や締め付け金具もありますが、コンクリートに直接触れて受け止めるという役割を持っているという意味では、せき板が唯一の存在といえます。
せき板の特徴
せき板の特徴としては、滑らかな表面処理が挙げられます。
コンクリートが十分凝固して、せき板をはがす際にスムーズな取り外しができるように、表面処理がされているのです。
主な処理は黄色い樹脂を塗布するもので、これによってスムーズな剥離を行えます。
せき板の種類も多い
せき板の種類も多くあります。
素材によって種類が異なり、次のようなものが挙げられます。
・合板:最もポピュラーな種類。木材を積層して作られるせき板。
・製材:1枚の木材で加工して作られるせき板。
・プラスチック:軽量というメリットを活かし、決まった形がある建築物に用いる。
・金属:鋼やアルミの合金が用いられる。決まった形がある構造物や建築物に用いる。
主に合板が用いられますが、共通して使われることの多い形の場合は金属やプラスチックのせき板を用いることもあります。
また、機能面を重視してコンクリートの余剰水を排水する機能を持たせたものや、脱型(せき板をコンクリートから剥がす作業)が必要ないタイプも見られます。
このように様々なタイプの特徴を活かして、最適なせき板を選択しているのが型枠工事の特徴です。
せき板を解体する脱型作業も手間がかかる型枠工事
せき板はコンクリートが凝固したら型枠の解体の際に脱型と呼ばれる剥がし作業を行います。
この作業は手で容易にはがれるように、剥離剤や離形剤と呼ばれる薬剤を使用することも少なくありません。
これらの薬剤は軽油や潤滑油といったオイルをメインに脂肪酸エステルや植物油を添加するなどさまざまな工夫がされています。
型枠の工事中は、このような薬剤をせき板に塗布する作業もあるため、それなりに手間がかかるのです。
そのため、脱型が不要でそのまま留置できるせき板を使用するケースも増えてきています。
せき板にも種別がある
せき板にもJAS規格(日本農林規格)と関連した種別があります。
基本的な厚さである12㎜をクリアしつつ、合板で利用する場合は広葉樹や針葉樹あるいは複合したものであるという共通した条件があり、詳細は種別により異なります。
A、B、Cに分けられるそれらの規格についてどのようなものか見ていきましょう。
最もすべすべしたA種のせき板
A種は目違い(組み合わせた箇所の凸凹や隙間)や不陸(表面の凸凹)がほとんどないせき板です。
さらに損傷がほとんどない状態という条件をクリアしているせき板でもあります。
コンクリートの表面をきれいに仕上げたい場合に用いられるタイプといえるでしょう。
目違いや凸凹が比較的少ないB種
B種は、A種ほどではないものの、比較的すべすべしたせき板で、目違いが多少あっても気にならない程度のものです。
ただ、損傷についてはA種同様にほとんどないせき板という条件が課せられています。
再利用品でもグラインダーなどで仕上げてあるものを含める種別のせき板になります。
とりあえず使用上差し支えなければC種
C種は、せき板として使用できるというレベルの種別になります。
打ちっ放しで、目違い払い程度の加工がされていればC種として認められます。
表面の仕上がりを重視しないタイプの型枠工事で利用されるタイプです。
せき板の存置期間の目安
コンクリートの凝固に合わせてせき板を撤去しますが、せき板を存置し続ける日数というものも存在します。
平均気温や利用するコンクリートの種類によって異なりますが、目安として定められているので、見ていきましょう。
まず、気温が20度以上のケースでは2~4日程度が目安になります。
ポルトランドセメント(一般的なセメントのこと、イギリスのポルトランド島の石に似ていることに由来)の混合程度によって異なり、次のようにまとめられます。
早強ポルトランドセメント:2日
普通ポルトランドセメント(混合A種)※混合材が少ない:4日
普通ポルトランドセメント(混合B種)※混合材が中間程度:5日
一方気温が10度以上20度未満の場合は次のとおりです。
早強ポルトランドセメント:3日
普通ポルトランドセメント(混合A種)※混合材が少ない:6日
普通ポルトランドセメント(混合B種)※混合材が中間程度:8日
これらを目安にしてせき板を外すかどうか検討します。
まとめ
型枠工事で使用するせき板は、コンクリートと直接触れる板のことです。
支保工によって支えられ、合板などの木や金属といったさまざまな素材を用いたせき板は、基礎やスラブといった場所で使用され、種別の区分がされています。
そのようなせき板は、中のコンクリートの硬化状態や現場の気温によって存置期間が異なり、目安期間をもとにして設定されているのも特徴です。
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