「型枠工事で失敗防止の注意点・災害防止のために注意すべきこと」
型枠工事では建物の仕上がりを左右する重要な工程である上に
コンクリートが固まってしまったらやり直しがききませんので、作業中に注意すべき点がたくさんあります。
また作業による災害にも注意しなければなりません。そこで、型枠工事で注意すべき点についてご紹介します。
【型枠工事の手順】
型枠工事には重要な工程がたくさんあります。
コンクリートを施工しますので固まったら修正が効きませんので、慎重な作業が必要です。
まずは型枠工事の手順の流れから見ていきましょう。
拾い出し
図面から建物の形状と寸法を拾い、立体をイメージして加工図を作成します。
出来上がった加工図から必要な資材の数量を洗い出して発注します。
部材加工
加工図を基に型枠になる板を作ります。
コンクリートの漏れが起こらないように寸法通りに正確に板を加工します。
墨出し
現場で墨を使って柱、壁などの位置に印をつけます。
型枠建て込み
墨出しした位置にパネルや加工材を建て込みます。
この型枠建て込みが建物の出来を左右するため、精度が必要な工程です。
パネルを垂直・水平に建て込むために、水平器などを使って慎重に作業します。
型枠締め付け
コンクリートの打設圧力により型枠に歪みが出ないようにしっかりと締め固め金具で締め付けます。
コンクリートが漏れたり型枠に歪みが出ると建物全体の仕上がりに影響が出ますのでとても重要な工程です。
生コン打設
型枠の中に生コンクリートを流し込む作業です。
事前に型枠の表面を綺麗にしておき、コンクリートが綺麗に仕上がるようにしておきます。
生コン打設そのものは専門家が行いますが、型枠大工も現場に立ち会って型枠に異常がないか十分にチェックしながら作業を行います。
型枠解体
コンクリートが固まり、十分な強度が出てきたら型枠を取り外します。
危険を伴う作業ですので、数日かけて解体していきます。
【型枠工事の際に注意すること】
型枠工事の際には以下の事に注意しながら作業を行うことが大切です。
1.型枠計算書にある材料がきちんと使用されているか確認する
・セパレーターの種類・本数・間隔
・浅木・バタ材の大きさ・本数・配列
2.墨に合わせて根巻き、敷桟を行う
3.型枠の水平鉛直目地を正しく合わせ、コンクリート構造物が美観よく仕上がるように意識する。
目違いが起こらないように組み立てる。
4.妻型枠は壁面と接する角部分がコンクリート打設中に変形しないようにチェーン等を使って十分に角締めを行う。
5.フォームタイ、締め付け金具に緩み・締め忘れが無いか確認する。
6.型枠の組み立て完了後、管理基準に合っているか確認する
作業は並行して進んでいくため従事するスタッフ全員で連絡を十分に取り合いながら作業します。
また、型枠の組み立て作業が計画通りに行われているかも都度確認するようにします。
もし、間違いが起こっている場合は安易に妥協せず、やり直しを指示しなければなりません。
【型枠工事で気を付けたい災害】
型枠工事ではさまざまな災害が起こる可能性があります。
安全に注意して作業するためにも起こり得る災害をご紹介します。
パネル加工の工程
・のこぎりで手指の切傷
・ドリルを使用した際の手首の負傷
・くぎ打ち機誤射によるけが
・パネルの荷崩れにより下敷きになる、挟まれる
墨出し
・墨糸が切れて目や顔に当たる
・壁筋に当たったことによる切傷
・くぎ打ち機誤射によるけが
・のこぎりで手指の切傷
型枠の組み立て工程
・足場からの墜落
・脚立からの転落
・専用ピンを使わないことによる倒壊
・パイプサポートが沈下して倒壊する
・パイプサポートに指を挟んでしまう
ダメ孔・階段部分の建込み工程
・開口部からの墜落
・専用ピンを使わないことによる倒壊
・パイプサポートが沈下して倒壊する
・足場からの墜落
型枠解体工程
・足場からの墜落
・脚立からの転落
・釘抜きの際に飛んできた釘が顔や目に当たる
・解体材・横架材の落下
・型枠の倒壊
災害防止のため、型枠工事をする際には以下の点に注意しながら作業を行います。
・材料を搬入する際には通行人など第三者災害のないよう周囲の安全を意識する
・脚立・足場を使用する際には墜落・転落に気を付ける
・丸のこ・インパクトドライバー・くぎ打ち機は適正な使用を心掛ける
・現場の部材の配置は安全を意識して適正な管理をする
【型枠工事の重要性】
型枠工事は建設物の土台部分をつくる工事で、建物のクオリティに大きく関わる重要な工事です。
型枠の仕上がりはその後の工事にも大きく影響します。
型枠工事では垂直精度が±3mm以内が許容範囲とするのが一般的です。
この±3mmを超えてしまった場合、上に乗る建物に歪みが発生したり、
耐震性や強度などに悪影響が出る可能性が出てきます。
そのため、型枠工事には高い技術力が必要ですし、工程1つひとつに気を配ることが求められます。
また、型枠大工1人ひとりのスキル向上も大切です。
【型枠大工の主要資格3つ】
型枠工事で必要な資格はいくつかありますが、主要な資格は以下の3つが挙げられます。
・型枠施工技能士
型枠施工技能士は型枠の組立図の作成・組み立て技能が照明される資格です。
型枠大工の方が最初に目指す資格となります。
受験資格は実務経験2年以上で2級の受験が可能、1級は2級取得後2年以上、または7年以上の実務経験が必要です。
・型枠支保工の組立て等作業主任者
「型枠支保工の組立て等作業主任者」の資格を持っていると
型枠大工を束ねる責任者として作業の指導や監理ができるようになります。
工事で配置が必要になることも多いので、取得しておくと活躍の場を広げることができます。
受験資格は満21歳以上で型枠大工としての実務経験がある方です。
・建設施工管理技士
建築工事の施工計画や工事の監理を行うことができる資格です。
型枠工事にとどまらず、建築工事全般に関わる資格となり、
建設業においては需要が高く、自身のステップアップとして取得する方が多い資格です。
2級は現場で「主任技術者」になることができ、1級は「監理技術者」になることができます。
【精度が求められる型枠工事は注意を払って作業することが大切】
型枠工事は建設物の全体の仕上がりに影響する重要な工程です。
専門知識や技術力と細心の注意を払って作業をすることが大切です。
仕上がりのクオリティに注意することはもちろんのこと、
作業中に災害が起こらないようにも注意しなければなりません。
施工の流れの中ではご紹介した注意点を意識した施工を心掛けていきましょう。
熊本県の型枠工事は有限会社有働建設工業にご相談下さい。
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