型枠工事の重要な器具・セパレーターとは?種類や使い方を紹介
型枠工事はコンクリートを流す型枠を組み立てたり、解体したりする工事ですが、その工事になくてはならないのがセパレーターです。
建設関係者であれば、その存在はよく知られているものの、そうでない方はイメージしにくい器具といえるのではないでしょうか。
今回は、型枠工事のセパレーターについて、改めて基本を確認する意味でも種類やその使い方について解説をしていきます。
そもそも型枠工事のセパレーターとは?
セパレーターとは、簡単に言えば型枠の板を支える丸い棒状の金具です。
現場では向かい合っている型枠同士の距離をキープするためにそれぞれを支えるために用いますが、このセパレーターがなければコンクリートを流し込んだ際に、その圧力で型枠がずれたり、壊れたりします。
このセパレーターにも性能があり、2分5厘、3割といった数値で示されています。
この数値はセパレーターの太さを意味し、数値が多いほど太い金具という意味で、強度の高いセパレーターです。
例えば、2分5厘のセパレーターであれば1,400kgf~2,000kgfのコンクリート圧力に耐えられる性能なのに対し、3分は2,100kgf以上のコンクリート圧力にも耐えられます。
このような性能の違いを意識して型枠工事をする際に最適なセパレーターを選択します。
ちなみに、この金具はコンクリートが固まると取り出し困難となるため、型枠工事の現場では消耗品として扱われることがほとんどです。
このように使用されている型枠工事のセパレーターについて、次の項目ではその種類を解説しましょう。
型枠工事のセパレーターの種類とは?
型枠工事のセパレーターは用途や場面によって使用されるタイプが異なり、実際にいくつかの種類が用意されています。
そのセパレーターの種類としては次の6つが挙げられます。
H(エイチ)
まず、Hは座金(ざがね)とも呼ばれるタイプで、棒に対して平たい金具がついています。
長さは2分5厘と3分の2つがあり、基本的によく使われるタイプとして知られているタイプです。
B(Bセパ)
次にBはBセパ、丸セパとも呼ばれるタイプで、こちらも長さは2分5厘と3分の2つがあります。
金具がお椀のような形をしているタイプです。
曲げセパ
曲げセパは、曲がっている形状のセパレーターで、現場によって使い分けられます。
スタッドセパレーター
スタッドセパレーターは、切りっぱなしになっているセパレーターで金具の代わりに溶接によって止める場合に使用されます。
ハット
ハットはピィとも呼ばれるセパレーターです。
ヘルメットのような形をした金具が特徴になっています。
チューブコン
閉じた傘のような形をしているセパレーターで、セパレーターの金具としては長細い形状です。
このように様々な形をしているセパレーターがありますが、実は両端で用途が異なる場合は、組み合わせて使用するケースも少なくありません。
例えば、一端がBで、もう一端がHといったケースなどです。
次の項目ではここまで紹介したセパレーターの用途について解説していきましょう。
各種セパレーターの役割を紹介
先ほど紹介した6種類のセパレーターについてそれぞれ型枠工事の現場ではどのような役割を持っているのか解説していきましょう。
まず、Hのセパレーターは、基礎や地中梁によく使われるタイプです。
現場では基礎工事の型枠や地中梁など地中に隠れる場所でよくみられるでしょう。
また、建築物の上部で仕上げがある場合によく用いられるタイプでもあります。
次のBは、打設後は大きめの穴が残るのが特徴です。
そのため、追加でモルタル爪が必要になります。
用途としては、打放し、化粧(土木工事)で利用されるタイプになります。
曲げセパは、勾配のある型枠に用いられます。
通常のセパレーターでは型枠を支えられない場合に重宝するタイプといえるでしょう。
ただし、曲げると強度が落ちるので、その点も計算して利用します。
また、材料によっては曲げを戻した瞬間に折れてしまうことがあるので、一度曲げたら安易に形をかえないことが重要です。
スタッドセパレーターは溶接になる場合に使用されますが、溶接が必要と思われる型枠工事の現場の様々な場所で、この技術が用いられるのが特徴になります。
ハットは、Hと似た用途で用いられます。
基礎工事や地中梁など地面より上になる場所に使用されることがほとんどです。
ピット部分にもこのタイプのセパレーターが利用されるでしょう。
チューブコンは、最後の仕上げの工程で利用されます。
コンクリートの化粧部分のセパレーターとして利用されることが多くあります。
セパレーターの特殊加工とは?
セパレーターは、ここまで紹介した6つの形状のタイプ以外にも現場で特殊加工を施すことがあります。
これは、様々なタイプがあるのですが、代表的なタイプとして次の2つが挙げられます。
1・止水板
2・軸長(じくなが)
実は、先ほど紹介した曲げセパレーターもこの分類に入れることがありますが、ここでは上記の2種類について解説していきましょう。
止水板はセパレーターの穴に水が通らないようにする加工です。
止水付き、止水ゴム付き、ゴムリングと呼ばれることもあります。
コンクリートが固まってしまえばセパレーターの穴に水が通らないのは、かなり便利な特徴です。
軸長は、首長(くびなが)とも呼ばれる加工で、金具から飛び出た部分が通常のものよりも長いセパレーターです。
あらかじめ飛び出るようにしておき、型枠のコンパネ(板)に接する部分から50mmの位置で曲げる加工をします。
勾配になるような場合に採用される加工方法です。
まとめ
型枠工事のセパレーターは、型枠のコンパネなど型枠の形そのものを維持するために重要な金具です。
コンクリートを打設しても作った型枠そのものが維持できるようにするため、様々なタイプのセパレーターが存在します。
それらのセパレーターをうまく使い分けることによって、確実な型枠工事の施工が可能となるでしょう。
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