型枠工事におけるスリーブとはどのような作業か?ポイントも紹介
型枠工事はスリーブと呼ばれる作業があります。
しかし、専門業者以外、どのような工事や作業なのかわからないことがほとんどです。
それでも何らかの形で型枠工事と関わることになった場合、知っておきたい作業と言えるでしょう。
そこで今回は、このスリーブは、どのような型枠工事の工事や作業かを解説していきます。
そもそも型枠工事におけるスリーブとは?
型枠工事におけるスリーブとは一言で言えば、「穴」のことです。
建物を建てる場合、基礎工事や型枠工事を行いますが、その際に配線や配管と言った、建物の神経や血管のような設備を設置する必要があります。
それらを通すための穴がスリーブであり、スリーブがないと重要な配管や配線を外からむき出しにして通さなければいけなくなります。
型枠工事では単に型枠でスリーブを作るのではなく、筒や箱のようなものを入れておいてスペースを作る作業を行います。
この筒や箱を用いたり、穴自体を事前に用意するための作業をスリーブ工事といいます。
さらに図面から実際のスリーブの位置を躯体に書き出す作業を墨出しといったり、先程紹介した筒や箱と言った型の形を加工する作業をスリーブ加工と言ったりするので、事前に知っておきましょう。
ちなみにこれらの筒や箱をスリーブ材とも呼び、これらを利用してできた穴をスリーブといいます。
スリーブ材は、他の型枠と同じでコンクリートの打設が行われたあとに解体されることがほとんどです。
見方を変えれば、スリーブ材も型枠の仲間と言えるかもしれません。
知っておきたいスリーブ工事のポイント
型枠工事の作業者でなくとも、全体の工事を知る上でスリーブ作業は知っておきたい知識です。
ここでは、作業する上でスリーブ取付工事において重要なポイントを紹介しましょう。
スリーブ工事のポイント8選
「1.構造上問題の大丈夫なスリーブ取付の位置・サイズ」
まず、構造上問題のないスリーブ取付の位置・サイズなのかを知っておきましょう。
位置や大きさがわからない場合でも基本的には、スリーブの構造図に記載されているので、それを見て確認するのが重要です。
注意点としては、開口補強金物という材料を使うと、基準が変化することです。
その場合はメーカーの基準を重視して、それに従いましょう。
また、基準を取り寄せて構造設計者に承認をもらった上で作業を開始することが重要です。
「2.使い分けがあるスリーブ材の理解」
使い分けが必要なスリーブ使用材を理解することで、特に紙製のスリーブについては、使用場所が限られています。
柱及び梁以外の箇所であること、さらに開口補強が不要なこといった場所の制限です。
さらに太さも限定されており、200mm以下であることが求められます。
変形防止の措置を講じ、かつ、 配管施工前に仮枠を必ず取り除くという条件付きです。
また、紙以外にも亜鉛鉄板、つば付き鋼管も厚さ指定や素材加工の指定があるのでチェックしておきましょう。
「3.スリーブ取付場所における補強方法の確認」
スリーブは補強材で補強できますが、その方法は様々です。
基本的には構造図に記載されているので問題ありませんが、スリーブ開口が密集していたり、スリーブ開口が大きすぎる場合は、特別な補強が必要になります。
ただ、現場の判断だけで補強すると、構造的な問題が発生するため、構造設計者に確認して補強方法の記載やコメント記載をしてもらいましょう。
「4.スリーブ取付位置の伝達は図面の形で作業者に渡す」
作業者へは口頭ではなく、必ず図面を渡して変更箇所や施工箇所を伝えるようにしましょう。
図面で残しておかないとトラブルになったり、作業者が作業に応じなかったりと言った進行に問題が生じるので、変更があったり、図面が手に入ったら早めに渡して情報共有を図るのがポイントです。
「5.取付のタイミングの事前調整」
スリーブ設置を鉄筋を設置(配筋)する前か後か決めておくことです。
スリーブは、配筋の邪魔になることが多いことや作業中にスリーブ破損をする危険があることから、スリーブ設置を先に行った場合、配筋の施工が変更になることがあります。
いきなりそういった場面になると配筋の担当者も作業ができなくなるので、事前にどのタイミングでスリーブ設置するか決めておきましょう。
基本は、配筋後が多い傾向です。
「6.見積もりは補強が入っているかどこの業者で入れたか確認」
見積もりにスリーブ補強作業が入っているかどうかです。
この作業が抜けていると、後で追加の請求になったり、払う払わないでトラブルになります。
また、担当するのはスリーブ設置者なのか配筋作業者なのか揉めることもあるので、基本は配筋作業者に持ってもらって、そちらで見積もりを入れてもらうのがベストです。
「7.コンクリート打設が始まったら合番は必須」
コンクリート打設時の合番(相番)は必須です。
念の為に合番を解説すると、立会人のことを言い、この場合は打設を実施する職人とは異なった職種の職人が行わなければなりません。
スリーブが打設でずれないか、作業中に破損しないかをチェックする必要があるからです。
打設は、スピード勝負で邪魔とみなされたものは、蹴飛ばして外に出す傾向があります。
スリーブを蹴飛ばされたら大変なことになるので、そうならないためにも相番を置くことは重要なのです。
「8.コンクリートの打設をしたらすぐに養生蓋を用意」
最後が床スリーブをする場合は打設したらすぐに養生の蓋をすることです。
その理由は安全面の確保、スリーブが開いたままだと、作業者が転落したり、何かしらの負傷をする原因になります。
そうならないためにも蓋は必ずしておきましょう。
また、既製品の養生蓋を用意することが多いので、発注をしておくことは必須です。
直接作業しなくとも、これらの点は行われているかどうか、自分は行う必要があるのか確認しておきましょう。
まとめ
型枠工事におけるスリーブは、配管や配線を通すための重要な穴部分です。
この部分をきちんと施工しておかないと建物の構造や強度に問題が出るだけでなく、その後の作業にも支障をきたします。
そうならないように今回紹介したポイントを抑えて、確実で安全な施工を全体で目指していきましょう。
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