型枠工事で必須の書類!施工計画書ってどんなもの?
型枠工事は、鉄筋コンクリートでコンクリートを流し込む際に型枠を組み立てていき、
コンクリートを流し込んで建物の形を成形していく工事です。
鉄筋コンクリートの工事ではほとんど確実に行われる工事ですが、無計画で行われるわけではありません。
そんな型枠工事の計画書となるのが施工計画書です。
今回は、型枠工事の施工計画書についてどんなものか解説し、まとめました。
そもそも型枠工事の施工計画書ってどんな書類?
型枠工事の施工計画書は、監督職員に型枠工事を行う前に提出する書類です。
この書類は、型枠工事を現場の衛生や安全確保するために必須の内容が記載されており、
必要な手順や工法等についても書かれています。
その内容は、15もの項目に分かれており、大まかな分野として工事の内容や運営、
使う道具や材料、方法、施工するための対応方法、資源や廃棄物の処理方法が挙げられます。
まず、工事の内容や運営について解説していきましょう。
ここでは、工事の概要から始まって計画工程表、現場組織表といった運営の方法についてまとめています。
次に使う道具や材料に関しても記載します。
その内容は指定した機械や工事で用いる主要船舶・機械、さらには主要資材といった材料についてまとめた内容です。
さらに施工方法に関しては、主要機械や仮設備の契約、工事用地の情報といった補助的な情報を追加で記載します。
もちろん作業内容や施工管理計画についてもまとめます。
施工するための対応方法は多岐にわたるものです。
安全管理の方法や緊急時の体制、対応方法についてまとめるのはもちろん、
交通管理や環境対策、現場作業環境の整備方法について記載します。
型枠工事にかかる様々な作業や対応方法について解説します。
資源や廃棄物の処理に関しては、再生資源の利用の促進と建設副産物の適正処理方法としてまとめていく内容です。
最後に補足情報としてその他の内容をまとめるのが基本的な内容です。
大規模な型枠工事であれば、全ての内容を網羅していることが多いのですが、
維持工事等簡易な工事においては監督職員の承諾を得て記載内容の一部を省略することもできます。
このように詳細にわたって作業に関する方法をまとめるため、作成には手間がかかります。
型枠工事の施工計画書の特徴
施工計画書は先ほど紹介した内容が標準であり、実は型枠工事以外にも同様の形式で作成を行います。
そんな施工計画書ですが、型枠工事は現場の柱、梁、壁、スラブ(床部分のこと、構造床)を
どのように組み立てを行うかをまとめた点に特徴があります。
型枠工事独自の仕様になっているため、先ほど紹介した施工計画書とは若干異なった構成になっており、
一般社団法人日本建設業連合会のホームページから取得して制作します。
簡単にその内容を解説していくと、総則、概要、工程表、施工管理体制、施工要領、検査、完全衛生管理、
その他の8項目で構成されているのが特徴です。
総則は、適用範囲、適用図書、疑義・変更、その他で構成されています。
適用範囲は、どの工事の型枠工事で使われる施工計画書か定義しています。
適用図書は、どんな仕様書や本を使っているかまとめたものです。
疑義・変更は変更する場合、だれと相談して承諾を得てから変更するかなどが書かれています。
その他は、何のために使われるかまとめた物です。
概要は、工事の名前や場所、発注者など関係者の名前、工期、地域や地区、さらにはコンクリートの厚さ、
使用する型枠の素材などを一覧にしてあります。
使用する型枠やコンクリートの厚さといった項目は他の工事の施工計画書にはない特徴といえるでしょう。
工程表は、工事の進行表です。
これをもとに施工していく形になります。
施工管理体制は、関係者の一覧です。
元請施工会社をはじめ、型枠工事(組立)の一次や二次の協力会社、解体業者など関係会社が書かれています。
ここでは、会社名、住所、電話番号、現場代理人、監理技術者、担当者や作業責任者の名前が記載されます。
施工概要は、施工要領として記載します。
せき板や端太材といった型枠、電動ドリルなどの使用機器、加工場の場所などを記載した内容です。
さらに施工フローなど加工する内容をまとめていく点がきめ細かくにまとめられており、
型枠工事独自の内容になっているのが特徴です。
施工方法は、型枠の加工及び組立型枠の存置期間及び取外し、型枠締付け金物の頭処理といったことが行われます。
検査は自主権作表を作成します。
基本的なものだけでも次のように多岐ににわたってチェックします。
「施工図、強度計算書」
検査項目
・親墨の確認
・子墨と鉄筋の確認
型枠材の品質
・工程管理、安全管理、材料管理、
検査項目
・目地位置
・開口部
検査項目
・柱、壁型枠建入精度
・外壁型枠頂部の通り精度
・階高寸法
・建物コーナー型枠建入精度
・鉄筋の被り厚さ
・スラブ引き間隔
・壁控え支保工間隔
・型枠緊結状況
・支保工
・面木・目地棒
・各種配管、BOX、埋め込み金物
・木片、おがくず、泥等
・CON打設中の変形防止
・型枠の取り外し
・梁下、スラブの支柱取り外し
型枠工事独自のものがほとんどであり、独自のチェック項目であることが分かるでしょう。
安全・衛生管理は、多くの工事の施工計画書と同様に作成されています。
管理体制や共通事項、安全衛生管理、火災防止、殉死、事故発生時の措置をまとめているのが特徴です。
さらに安全衛生管理体制として、チャート式に責任者の名前が書かれています。
現場入場ルートもまとめられており、詳細地図を貼付し、ルートについて矢印を付けて明示するようになっている仕組みです。
火気使用チェックシートは火気使用場所の把握などのチェック欄があり、それにチェックしていく形になっています。
その他は、有資格者一覧表及び免許書写し、カタログ類、参考資料といった内容のものを貼付します。
このように大きな書類が作成されるようになっているのが特徴です。
混同されがちな施工要領書との違いとは?
型枠工事の施工計画書と似たような書類に施工要領書があります。
これは、施工計画書に含まれる書類で次のようなものが書かれているのが特徴です。
1・使用材料
2・搬入出計画
3・施工手順
4・施工上の注意点
5・品質管理の方法
施工計画書の概要に似ていますが、協力会社の立場で記載する書類というのが最大の違いです。
元請が作成した施工計画を実行するために、実際に施工する業者がどのようにして工事を進めて行くかを記入してあります。
まとめ
型枠工事の施工計画書は、型枠工事における概要が詳しくまとめられた書類です。
この書類を読めば、責任関係やチェックポイント、さらには工事の流れも分かるようになっています。
類似の書類に施工要領書があります。
これはどのようにして工事を進めていくのかといったように施工計画書の一部分をまとめた内容になっているのが特徴です。
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