型枠工事の図解!図に注目した型枠工事の流れを紹介
型枠工事は、建物などの構造物を建設する際にコンクリートを流し込む型を作る工事を言います。
この型が曲がっていたリ、歪んでいたリ、あるいは枠がズレていたりすると、コンクリートの構造に致命的な影響を与えてしまいます。
そんな重要な技術を施行するにあたって必要なのは、図面です。
あらかじめ、設計図を基にして型枠工事専用に図解した図面が必要になります。
今回は、型枠工事の図解をテーマにして、その内容や利用される流れを解説し、まとめました。
型枠工事には図面が用いられる
型枠工事は躯体工事と呼ばれる、建築物の主な構造部分を作る工事の一つです。
基礎工事や土木工事、そして鉄筋コンクリート工事の中で横断的に活躍する工事のことで、正確な施工が求められる工事でもあります。
正確な施工が求められるということは、型枠工事専用の図面を用意することが必要です。
確かに施工図と呼ばれる建物全体の設計図は存在しますが、型枠の組み立て方についての図面があらかじめ用意されているわけではありません。
そのため、型枠工事を施工するために施工図を型枠工事向けに図解した独自の図面を用意しなければならないのです。
型枠工事の図面とは?
型枠工事の図面は、一般的な設計図や施工図とは異なります。
施工図を基に柱や梁(はり)、床、壁の形状などの寸法を割り出して、さらに型枠のタイプを指定し、図解したものが求められます。
このような図面を作成するポイントとして、立体的なイメージを作ること、必要な資材が分かること、資材の加工のイメージができることが挙げられます。
立体的なイメージを作ること
設計図といえば、様々な方向から見た平面の図です。
しかし、型枠工事で用いる図面は立体的なイメージを作ることが大切です。
平面である施工図から立体的なイメージを作ることで、型枠工事の際の組み立てがしやすくなり、どこにどのような形で型枠を組んでいくかといった具体的な作業をする上で重要です。
立体的なイメージ無しに図解した図面を作ってしまうと、形は合っているはずなのに組み立てると収まらないといったトラブルが発生します。
そうならないためにも一度施工図から立体的な図面を作ることがポイントなのです。
必要な資材が分かること
必要な資材が分かるように図解していくことも型枠工事の図面のポイントです。
型枠工事は、板と金具で組み立てていくことが基本的な作業になります。
そのため、部材を持っていけばどんなものでも組めると思われがちです。
しかし、型枠工事をするにあたっては、必要な場所に必要な形の部材を必要な数だけ用意しなければなりません。
そうでないと、いちいち会社に戻って部材を持ってきたり、部材を現場で何度も加工したり、あるいは少ない作業スペースを圧迫して、他の工事の迷惑になったりといったことが起こります。
そうならないためにも、型枠工事の図面は、部材の種類や数などがすぐわかるように図解しておくこともポイントです。
資材の加工のイメージができること
型枠工事の図面は、型枠工事に必要な部材の加工のイメージができることも求められます。
型枠工事の図面は、加工図とも呼ばれるくらい、図面の図解から部材の加工イメージができるかどうかということが重要になってきます。
加工図を見て、会社などの作業所で現場の型枠工事に必要な部材を用意できるかどうかというのは、最低限求められます。
立体イメージ、必要な部材の数、そして部材の加工イメージ、これらは建物の設計図だけでは分かりません。
そういった設計図をもとにして、型枠を的確に加工し、現地で正確に施工できるような図面が必要となるのです。
型枠工事を図解する作業について
型枠工事を図解し、加工図を作成する作業を拾い出しと言います。
型枠工事を行う前の準備段階で作成される作業のことで、元請けから受け取った施工図をもとにして、梁、床(スラブ)、壁、柱、さらには階段や様々な装飾部分の形状や寸法を割り出します。
図面を確認しながら、寸法や数量を計算し、コンピューター支援設計と呼ばれるCADを使用して、コンピューター上で計算、設計して立体のイメージを作成し、図解、図面に落としていきます。
この作業によって施工の方法や必要な量の部材を決定し、それに合わせて現場の型枠工事に従事する方が、準備を進めるのです。
もちろん並行して作業所では、必要な型枠の加工が制作された図面(加工図)をもとに進められるという流れになります。
出来上がった図面に問題があると、型枠工事が失敗してしまう恐れもあるので、CADによって正確な加工図が求められるということを知っておきましょう。
ちなみに拾い出しから原寸と呼ばれる複雑な形状の部分や型枠の勾配といった作図もされ、こちらをもとに施工することがほとんどです。
型枠工事の図解から型枠工事完了までの流れ
最後に型枠工事の図解による図面作成から型枠工事が完了するまでの流れを解説しましょう。
それは、拾い出し、原寸、加工、墨出し、建込み、かため、コンクリート打設、型枠解体の流れです。
拾い出し、原寸
拾い出しと原寸は、受け取った施工図から型枠工事向けの図解を行い、図面を新たに書き起こします。
加工
出来上がった図面のうち、詳細な加工図を基に作業所で板などの部材を図面通りに加工していきます。
この時点で必要なパネルや柱の型枠、梁の型枠が出来上がります。
墨出し
現場では施工図面をもとにして柱や梁などの位置に線を引いたり、印をつけたりして型枠の位置を決定する作業が行われますが、これが墨出しの作業です。
建込み
現場に持ち込んだ枠などの部材を墨出しした印に合わせて所定の位置に設置し、組み立てて行く建込(たてこみ) と呼ばれる作業が行われます。
組みあがったらチェーンを利用して型枠の強度を上げて、しっかり確認しなければなりません。
コンクリートの圧力に耐えられる加工が行われます。
かため
かため作業は、パイプの単管で型枠をかためて建ちのチェックをします。
コンクリート打診
メインの作業がコンクリート打設で、これは生コンクリートを型枠に流し込んでいく作業になります。
型枠工事業者が直接参加せず気泡やコンクリートの行き渡りをチェックして行くことがほとんどです。
コンクリート業者が作業しやすいように、あらかじめ養生をしたり、作業しやすい環境を提供することも求められます。
型枠解体
コンクリートが固まったら、あるいは強度が確認されたら型枠を解体し取り外して、型枠工事が完了です。
施工図の図解からの加工図作成が不正確だとこれら一連の作業が成り立ちません。
まとめ
型枠工事は、施工図を見ながらそのまま施工するのではなく、型枠工事専用の図面を作成することが求められます。
この図面の作成が拾い出しと呼ばれるもので、型枠工事をする上で重要な工事になります。
この作業にミスがあると型枠工事自体が正確にできないので重要なものといえるでしょう。
熊本県の型枠工事は有限会社有働建設工業にご相談下さい。
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