型枠工事の流れとは?それぞれの工程を図解のように説明
コンクリートを打設し、加工したい形状に合わせた板を組み立て、解体する一連の工事を型枠工事といいます。
この工事の流れは専門の職人である型枠大工が担当し、コンクリートの建物や基礎工事を行う際に重要な役割を果たすものの、一般的にその作業についてあまり知られていないのも事実です。
そこで今回は、型枠工事の施工について、図解をするような説明方法で流れを解説します。
型枠工事について改めて解説
型枠工事はコンクリート造の建物や基礎を作る際にコンクリートを打設するための型を作る一連の作業を指します。
現場でよく目にする合板などの枠で囲った部分は、型枠工事で施工された部分となります。
型枠工事では、あらかじめ設計を行い、現場の職人にもわかりやすいように図解した施工図を作成しているのも特徴です。
この施工図では建物の強度や耐震性にも影響を与えるため、もとの図面を参考にしつつ、現場での事情に合わせた詳細な設計を行っています。
さらに、作成された図面を忠実に実現していくのが型枠大工なのです。
また、型枠工事はコンクリートの形を決めてしまう根幹部分の工事です。
そのため、求められる精度も厳しく、特に現場で施工するための目安となるラインを引いていく墨出しは、現場でもトップクラスの型枠大工が担当しています。
型枠からコンクリートが漏れないように強度を求めながらミリ単位の精度も両立させなければならないということから、頭の中で図解しつつ、手先も慎重かつ正確な作業をしているのが型枠大工の技術なのです。
型枠工事のイメージをするために理解しておきたい建築部材
型枠工事の流れを解説する前に理解しておきたい型枠工事に用いられる建築部材を紹介しましょう。
型枠工事の主な部材は次の5種類です。
・コンクリート型枠合板
・単管
・Pコン
・フォームタイ
・セパレーター
これらを理解することで、型枠工事の流れが図解されるようにイメージできるはずです。
メインの部材!コンクリート型枠合板
型枠の板の部分がこのコンクリート型枠合板です。
略してコンパネとも呼ばれる部材で、ただの合板と異なり、はがせるように片面に剥離用の樹脂が塗布されているのも特徴です。
また、丈夫な板を用いることがほとんどで、ほかの現場でも連用できるような強度を持っています。
型枠板を支える単管
単管はパイプとも呼ばれる部材です。
型枠の幅を維持する部材(セパレーター)を支えるために直接部材へ取り付けて使用します。
強度のある単管を用いられることがほとんどで、コンクリートの強力な膨張力や圧力に耐えられるだけの耐久性を持っています。
セパレーターと型枠をつなぐ金具のPコン
Pコンはセパレーターと型枠板を支える金具です。
コンクリートの建物でよく小さな丸い穴が開いているのを目にすることが見られ、この丸い穴こそがPコンの設置されていた部分の名残です。
型枠を解体したあとに穴が開いた状態になるものの、仕上げ作業の際にPコンでできた穴を閉じます。
強力なボルトの部材!フォームタイ
フォームタイはボルトです。
セパレーターを締め付けるために使用するもので、側圧と呼ばれるコンクリート打設時に発生する強烈な圧力に対して、セパレーターが壊れないように固定する作業があります。
なお、関連して1本のセパレーターに対してフォームタイは2本必要です。
型枠を支える重要部材のセパレーター
先ほどもたびたび出てきたセパレーターは、型枠の幅を一定に保つ目的で使用する部材です。
棒のような形をした金具で、セパレーターの両端をそれぞれの型枠板に取り付けて固定します。
図解のように解説!型枠工事の流れ
型枠工事の流れは次のような7ステップで行われます。
1.拾い出し作業
2.型枠部材の加工
3.墨出し作業
4.型枠建て込み作業
5.型枠締め付け固定
6.コンクリート打設
7.型枠の解体
1.拾い出し作業
拾い出し作業は、もともとの図面から形状と寸法を拾い出して、型枠工事の現場で作業できるように図解していく作業です。
柱や梁、さらには床や壁といった場所の形状と寸法を正確に拾い出して加工図として完成させます。
加工図は、型枠の説明書のようなものなので、さまざまな情報が表記されています。
そのため、加工図から、必要な部材の形状や数量がわかるようになっているのも特徴です。
2.型枠部材の加工
現場で型枠工事をする前に事業所内で型枠の準備をします。
型枠部材の加工として、加工図を見ながら型枠板を必要な形状にカットします。
また、強度の求められる場所は新しい部材、そこまで強度が不要な場所は古い部材を使用して加工することもあるのがポイントです。
3.墨出し作業
先ほどもふれたように墨出し作業は現場で加工図を基に正確なラインを引いていく作業です。
しるしをつけてガイドするようにしていくのも特徴です。
昔ながらの墨つぼを使った線引きや印付けを行うこともある一方、レーザーを使用するケースも出てくるようになりました。
加工図を立体の形に再現していく図解のような作業です。
4.型枠建て込み作業
実際に型枠を組み立てていく工事です。
墨出しのラインや目印をもとにパネルや加工した型枠材を組み立てていき、水平や垂直がきちんと出ているかチェックしながら進めます。
5.型枠締め付け固定
型枠の板が設置されたら、コンクリートの圧力に耐えられるようにセパレーターやPコン、フォームタイ、単管などを接続します。
さらにズレないよう金具をしっかりと締め付けていきます。
当初設定されているサイズが変わらない程度に十分な強度で締め付けを行うのがポイントです。
6.コンクリート打設
コンクリートを流し込む作業です。
型枠大工はこのタイミングで作業をすることがないものの、型枠の破断やずれ、ゆるみなどが生じないかチェックしながら立ち会いを行います。
7.型枠の解体
コンクリートも固まって強度が確認できたら型枠を取り外します。
ただし、一度に外してしまうと型枠が崩れたり落下物の危険もあったりするため、最初に壁の部材を外し手から梁、スラブ(床や天井)部分を別の日に外します。
まとめ
型枠工事といえば、単に型枠を組み立てて解体するだけでなく、今回紹介したように現場でもイメージがつきやすいように専用の図面を作成し、図解した施工図と呼ばれる書類を作成します。
そのうえで現場の型枠大工が墨出しを行い、型枠を使って基礎や壁、柱となる部分の型枠を組み立てていくのです。
コンクリート打設後の解体についても解説したので、今回の記事を読むことで、その流れが理解できたのではないでしょうか。
もしコンクリートの打設や型枠工事を手掛ける型枠大工との協業をする場合、紹介した流れが参考になるはずです。
熊本県の型枠工事は有限会社有働建設工業にご相談下さい。
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