型枠工事にはどんな工法があるの?工法の種類や部材の種類を紹介
型枠工事といっても様々な工法があります。
工法によって施工する目的が異なったり、機能が異なります。
今回は、型枠工事の工法の種類に注目して、主な型枠工事の工法を解説していきます。
また、木の型枠工事においてよく用いられる部材についても解説し、まとめました。
いずれも実績のある、よく用いられる工法や部材なので、依頼する側も予備知識としてそれぞれチェックしていきましょう。
主な型枠工事の工法の種類
型枠工事の工法は、常に研究開発されており、種類も少なくありません。
また、型枠工事を施行する業者も工夫や開発によって独自の工法で施工するケースもみられます。
建築工事や土木工事で鉄筋コンクリート造の構造体を作る際に必ず施工される重要な工事でもあります。
そんな型枠工事の工法の種類としてよく見られるのは次の4種です。
1・従来ラス工法
2・化粧打放型枠
3・システム型枠
4・ノンセパ工法(システム型枠、コラムクランク)
5・新素材を用いた型枠
これらの工法は、型枠工事の工法の種類の一部ですが、いずれも特徴的な工法なのでそれぞれ紹介していきます。
主な型枠工事の工法5種の紹介
在来ラス工法
まず、在来ラス工法は、合板や鉄板といった型枠工事でなくてはならない部材の代わりに特殊な金網を使った型枠工事です。
金網をコンクリートに埋め込んでしまうことから捨型枠工法とも呼ばれています。
型枠の解体をすることがないため、工期の短縮が期待でき、現場での変更対応を柔軟にできるメリットがあります。
また、網目状のラス型枠を見ながら生コン打設の状況を見ながら施工できるため、水分の余剰な発生や気泡ができてしまう問題を軽減して打設できる点もメリットです。
資材置き場も省スペースにできることや解体の騒音もなくせる工法といえるでしょう。
化粧打放型枠
化粧打放型枠は、コンクリート素地をいかした仕上げにする型枠です。
タイルや塗装といった施工を行わずに、コンクリートの地肌をそのまま出せる型枠工事といえるでしょう。
杉板などを使って木目の表現をするものやあらかじめ表面処理合板を用意して、表面を滑らかにしたり、表現したい凹凸に型枠の板を用いて模様をつけたりといった工夫をします。
コンクリートの質感を前面に出した工法といえるでしょう。
システム型枠
システム型枠は、ユニットを組み合わせて型枠を作っていく工法です。
逆打スライドシステム型枠、大型システム型、枠梁システム型枠といった型枠が知られています。
これらは、一般住宅の型枠工事というよりは、橋脚に代表される巨大なコンクリート構造物のための型枠工事で主に用いられます。
この工法を用いることで、巨大なコンクリート構造物でも正確な型枠工事を施工することが可能になります。
ノンセパ工法(システム型枠、コラムクランク)
ノンセパ工法は、型枠面にコンクリートのつなぎ目が付きにくい工法です。
Pコンと呼ばれる、コンクリート打ちっ放しの建物や壁に見える、浅くて丸い穴が残らず、コンクリート面がとてもきれいに打設できるメリットがあります。
施工時にボルトによって強固に固定するため、コンクリート打設時に発生するバイブレーターの振動にも強い工法になります。
新素材を用いた型枠
新素材の型枠工事もあります。
先ほど紹介した従来ラス工法もその一つですが、それ以外に木材を使った合板型枠ではなく新素材プラスチック系素材を用いた工法もあります。
リサイクルに配慮したシステムになっており、産業廃棄物として処分されることなく、メーカーの回収によってリサイクルが行われるタイプの工法です。
環境にやさしい工法であり、注目されている工法でもあります。
分類の方法や種類によって、これらに当てはまらない型枠工事の工法がいくつもあります。
ただ、一般的に目にする型枠工事の工法についてピックアップし紹介しました。
型枠工事の主要部材5種類を解説
型枠工事には、主要な部材が存在します。
型枠用合板
型枠用合板は、耐水性のある板です。
木製の合板が用いられることが多いのですが、先ほど紹介した通り、新しい素材を使ったものなどもあります。
型枠工事では、この合板を効率よく組み上げることによってコンクリートの形状を形成しています。
セパレーター
セパレーターは、型枠における左右の距離を保つために使用される金具です。
コンクリートの厚さを決める重要な部材といえるでしょう。
消耗品として用いられ、打設時にはコンクリートに埋め込まれてしまう部材になります。
フォームタイ
フォームタイは、型枠の外側に設置する金具です。
コンクリートを流し込んで型枠の距離を一定に保つ働きをします。
この金具の締め付けが不十分だと型枠が破壊されてしまうので、十分な締め付けを行う必要があります。
Pコン
Pコンは、先ほどコンクリートの跡で紹介しましたが、もともと部材のことを言います。
セパレーターと型枠をつなぐための部材で型枠の内側に取り付けられるものです。
コンクリート造のマンションや住宅で外壁などに丸い跡がついていますが、これがPコンの穴を埋めた跡になります。
工法で説明したノンセパ工法では、この跡がつかないように施工されているのが特徴です。
単管パイプ
単管パイプというと足場のイメージもありますが、型枠工事でも利用します。
型枠を固定するために利用される部材であり、フォームタイと併用して型枠を締める役割をもち、コンクリート打設時の圧力やバイブレーションの振動に耐えるための部材です。
型枠工事を見たことがある方であればご存知かもしれませんが、型枠工事の板の外側へ無数に張り巡らされています。
これらは、多くの型枠工事で用いられる部材といえ、重要な役割を果たします。
もちろん工法や詳細な作業、あるいは型枠工事を施行する企業などによって用いる部材は変わってきます。
ただ、基本的な型枠工事を行う場合、これらの部材が用いられて工事が進められていきます。
まとめ
型枠工事の工法には多くの種類があります。
今回は、よく目にするものや特徴的なものを中心にいくつか紹介してきました。
また、部材についても説明を行ったことで、工法やその部材の役割について知っていただけたのではないでしょうか。
もし、型枠工事を施工する場合は、工法や部材にも注目してみましょう。
きっと新しい発見があるはずです。
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