ー型枠工事の手順を解説!拾い出し・組み立て・型枠大工・解体がわかるー
鉄筋コンクリート造の建物を建てる際に、重要なのが「型枠工事」です。型枠に興味がある方のなかには、「型枠工事がどのような手順で進むのか」気になる方も多いのではないでしょうか?
今回は、型枠工事のプロである「有限会社有働建設工業」が、型枠工事の手順をわかりやすく解説します!また各工程での詳しい手順も解説しますので、具体的な型枠工事の流れを理解できるでしょう。
建築系に興味がある方や型枠工事を自分でしようか迷っている個人の方は、ぜひ最後までご覧ください。
型枠工事の手順1.型枠の設計(拾い出し)
型枠工事では、まず現場で使う型枠を設計する必要があります。「拾い出し」と呼ばれる作業で、具体的には下記の手順で行います。
1.設計図から、建物本体のサイズ感やデザインを把握する
2.設計図をもとに、柱や梁、床など建物の装飾部分に関する形状と寸法を割り出す
3.割り出した形状や寸法を「型枠加工図」に記載する
加工図には、形状や寸法、部材の組み合わせ方など、型枠を作るために必要な情報を記載します。加工図を作成する際には、建物の設計者の意図を考慮するのはもちろんのこと、スケジュールや品質など実際に型枠を作る型枠職人のことも考慮する必要があるため、簡単なことではありません。
型枠工事の手順2.型枠パネルの加工
続いて、型枠の材料となる合板や桟木など、必要な資材を準備します。そして型枠加工図をもとに、組み立てパネルや補助パネルなど各所に使う型枠パネルを加工します。型枠パネルの加工手順は、下記のとおりです。
1.型枠加工図をまとめた「加工帳」から、寸法や形状、納期などの情報を確認する
2.合板に釘を打ち、桟木を取り付ける
3.型枠パネルの切断や型抜きを行う
4.加工帳と照らし合わせながら中間検査を行う
5.型枠パネル表面のブラッシングを行う
6.型枠パネルに剥離剤を吹き付ける
まず、加工帳の内容を確認して、型枠パネルを加工していきます。型枠は1ミリ単位のズレがあってもうまく組み立てられなくなるため、納期に遅れないように注意しながら慎重に作業を進めなければなりません。
桟木の取り付けや、型枠パネルの切断がひと通り終われば、「中間検査」を行います。中間検査の目的は、現場で持ち運ぶ前に、加工帳に沿って型枠パネルが完成しているかどうかをチェックすることです。
中間検査を行わずに型枠パネルを現場で使ってしまった場合には、コンクリートがズレたり歪んだりするため補修工事が必要になることもあります。補修工事には時間も費用もかかります。そのため、完成した型枠に不備がないかどうかを念入りに調べる必要があるのです。重要な型枠パネルの中間検査は、熟練の型枠職人によって行われます。
そして中間検査を突破した型枠パネルにはブラッシングを行って、表面の木くずなどを落としてきれいな状態にします。
最後に、剥離剤を吹き付けて完了です。剥離剤は、流し込まれたコンクリートと型枠パネルを外す際に、傷をつけることなく外すためのものです。また型枠パネルの腐食による劣化を防ぎ、長期間利用するための役割もあります。
そして工事の日に合わせて、梱包して運搬用のトラックへ積み込みを行います。
型枠工事の手順3.型枠の組み立て位置に印をつける(墨出し)
ここからの手順は、現場で行う作業です。まず、型枠を組み立てる位置に墨を使って印をつけます。使用する道具から「墨出し」と呼ばれ、設計図に記載されている壁や柱などの位置に合わせて線を引いたり、点を打ったりします。
墨出しは、建物の基本となる位置を決めるうえで重要な作業です。測量器を使い水平・垂直方向を確かめながら、正確に印をつけていきます。
型枠工事の手順4.水平面を作る(敷桟)
墨出しの次は、敷桟です。印をつけた場所に桟木を打ち、型枠の土台を作ります。桟木は長方形の細長い木のことで、型枠パネルが立つように水平面をつくる役割があります。
型枠工事の手順5.型枠を組み立てる
墨出しや桟木を参考にしながら、型枠を組み立てていきます。型枠を組み立てる順番は、安全に進めるために決められています。一般的な組み立ての手順は、下記のとおりです。
1.外壁
2.柱・梁
3.内壁
4.床
各組み立て工程では、正確な作業が求められます。水平器により型枠が流し込まれるコンクリートで崩れてしまわないように、建ち具合を確認しながら丁寧に組み立てていきます。
型枠工事の手順6.コンクリートを型枠に流し込む
型枠の組み立てが完了すれば、コンクリートを流し込んでいきます。コンクリートを流し込む際には、空洞ができないように均等に入れることが重要です。
また、型枠に負荷がかかり続けるため、躯体の精度を定期的に確かめます。仕上がりを左右する重要な作業であるため、集中力が求められます。
型枠工事の手順7.型枠解体
コンクリートが固まれば、組み合わせた型枠を解体する必要があります。型枠解体の大まかな手順は、下記のとおりです。
1.パイプサポートなど、金物の取り外し
2.型枠パネルの釘を抜く
3.壁・梁・床の型枠を解体
4.天井スラブを解体
5.周辺の清掃
手順を間違えると大きな事故につながるため、型枠を解体する際には特に安全に配慮しながら慎重に行います。また型枠は再利用することが可能なため、次の現場でも使えるようにするためにも慎重さが重要です。
型枠の解体が完了すれば、工事中に使用した現場をきれいに清掃します。最後に建設業者に現場を引き渡して、型枠工事は完了です。
まとめ
型枠工事の一般的な手順は、下記のとおりです。
1.型枠の設計(拾い出し)
2.型枠パネルの加工
3.型枠の組み立て位置に印をつける(墨出し)
4.水平面を作る(敷桟)
5.型枠を組み立てる
6.コンクリートを型枠に流し込む
7.型枠解体
どの作業においても繊細さが求められます。型枠職人の高度な技術力が鉄筋コンクリート造の建物や、木造住宅の家の基礎を支えています。
「有限会社有働建設工業」は、熊本県で型枠工事を請け負う会社です。新幹線の線路の柱やトンネルにかかる橋などの公共の型枠工事はもちろんのこと、マンションや木造の戸建ての基礎などの民間の型枠工事にも対応しています。一級型枠技能士や10年以上の経験をもつ少数精鋭の型枠職人が在籍しているため、スピーディかつ質の高い型枠工事が可能です。
また当社では、型枠職人に興味がある方を募集しています!建設関係の経験がなくても、初めのうちは先輩職人の補助につきながら丁寧に教えてもらえるので心配ありません。「型枠職人を目指したい」「建築系や型枠工事に興味がある」方は、ぜひお問い合わせください!
熊本県の型枠工事は有限会社有働建設工業にご相談下さい。
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