「型枠工事とは!?型枠工事の流れと作業手順をていねいに解説」
鉄筋コンクリート造の建物は建物の形の枠にコンクリートを流し込み、土台となる基礎を作ります。
このコンクリートの形を作る工程を「型枠工事」と呼びます。
ここでは建設物の品質を左右する重要な工程である型枠工事の一連の流れと手順について解説します。
【型枠工事とは】
型枠工事とは鉄筋コンクリート造の建設物を造るときに、コンクリートを流し込むための型を作る工程を言います。
例えば鉄筋コンクリートの住宅を造る際、木の板やベニヤ板などを使って基礎の部分に
コンクリートを流し込む型を設計通りに組み立てて作る工事です。
型枠工事は建物の強度や耐震性などに関わってくるため、非常に重要な工事となります。
また、型枠工事を行う職人を型枠大工と呼びます。
【型枠工事の重要性】
型枠工事は建設物の構造体という根幹に関わる部分を造る工事です。
建設物の強度や耐震性を左右する基礎となる部分ですので、高度な技術が必要となります。
コンクリートが固まってしまえば元には戻りませんのでやり直しがききません。
そのため、迅速正確に施工を行わなければなりませんし、
コンクリートが型枠から漏れたりあふれることは許されませんので、ミリ単位の精度が求められます。
また、建物には全く同じ仕様ということはまずないため、設計図を見て立体的な型枠をイメージする力が求められます。
【型枠工事で使用する建築部材】
・コンクリート型枠用合板
いわゆる「コンパネ」というものです。
耐水性が高く、コンクリートの型枠として繰り返し使用できるように片面に剥離の樹脂が塗装されています。
合板を組み立てて型枠の形状を作ります。
・セパレーター
セパレーターは業界用語で「セパ」と呼ばれる型枠工事にはなくてはならない金物です。
型枠でコンクリートの壁を作る際に型枠の幅を一定にするためと型枠の強度を保つために使用されます。
セパレーターは型枠の幅の距離を一定に保つ役割があり、
コンクリートを打設するとコンクリートの中に埋め込まれますので消耗品です。
・フォームタイ
フォームタイは型枠の幅を一定に保つセパレーターを締め付けておくボルトのことです。
型枠の中にコンクリートを流し込むときに「側圧」という外に膨らむ力がかかります。
その力の大きさは何トンにも及ぶ大きな力。
その側圧に型枠が負けないように外側から内側へ固く締め付けて型枠の幅を保ちます。
基本的にセパレーター1本につき、2本のフォームタイを使います。
・Pコン
セパレーターに取り付けてセパレーターと型枠をつなぐ役割があります。
型枠の内側に取り付けられる部材です。
よく見かけるコンクリートについている丸い小さな印のようなものは
コンクリート打設後にPコンを取り外した跡の穴を埋めたものです。
・単管パイプ
フォームタイと共にセパレーターに取り付けて使います。
コンクリートが外に膨らむ力に抵抗する役割があります。
【型枠工事の流れと作業手順】
型枠工事の流れは
1.拾い出し
2.部材加工
3.墨出し
4.型枠建て込み
5.型枠締め付け
6.生コン打設
7.型枠解体
の作業手順となります。
ひとつひとつ説明していきます。
1.拾い出し
図面から柱・梁・床・壁などの形状と寸法を拾い出し、加工図を作成します。
施工図から立体をイメージする作業です。
出来上がった加工図から必要となる資材の数量を洗い出して発注します。
2.部材加工
加工図をもとにベニヤ板や浅木で型枠になる板を作ります。
寸法通りの基礎を作るために、またコンクリートの漏れがないためには正確な加工が必要になります。
部材加工では新しい材料を使うのか、古い材料を使うのか、施工箇所によって見極めます。
これは職人の知識と経験がものを言います。
3.墨出し
現場で印をつける作業です。
墨壺を使用し、柱、壁などの位置を床に線や印で表します。
墨出しは工事開始後も頻繁に行われます。
4.型枠建て込み
墨で印をつけた位置に合わせてパネルや加工材を建て込みます。
この建て込みの精度が建築物の出来を左右する重要な工程です。
水平器などを使い、垂直・水平に注意しながら作業を行います。
5.型枠締め付け
コンクリートの打設圧力に耐えられるように締固め金具等でしっかりと締め付けます。
建て込みをした型枠をフォームタイや単管パイプで締固めします。
締固めがしっかり行われていないとコンクリートの打設圧力に型枠が負けてしまい、
型枠に歪みが生じてしまいますので非常に重要な作業となります。
6.コンクリート打設
生コンクリートを型枠の中に流し込む工程です。
打設前に型枠の表面を綺麗にしておき、コンクリートが綺麗に仕上がるようにしておきます。
生コン打設は専門業者が行いますが、型枠大工は現場に立ち会って、
打設中に型枠に異常がないか点検しながら作業を行います。
7.型枠解体
コンクリートが固まり、強度が出てきた時点で型枠を取り外します。
危険を伴いますので壁・梁・スラブの順に日数をおいて解体します。
【特殊な型枠3種】
型枠工事の中には特殊な型枠を使った型枠工事もあります。
内容によって工事の内容も異なりますので、違いを把握しておくようにしましょう。
・システム型枠
システム型枠とは同じパターンの形状で他の建物に転用でき、
建て込みと解体の時間を短縮できるように作られた型枠のことです。
ユニットを組み合わせて使うことで作業時間を短縮し、工数と作業人数を減らし、工期の短縮を実現できます。
・化粧打ち放し型枠
化粧打ち放しとはコンクリートの上に何かしらの仕上げを行わず、
コンクリートの素地をそのままの状態を仕上げとした技法です。
型枠に杉板等を使用して木目を表したり、表面に凹凸をつけてコンクリートの美しさを表現します。
・特殊形状型枠
通常の型枠は直線ですが、曲線を表現したり高いデザイン性が求められる建設物では特殊形状型枠を使用します。
一般的な型枠以外にもFRP型枠を使用することもあります。
FRP型枠を使うことで複雑な形に対応できるほか、滑らかな仕上げを実現できます。
【型枠工事の流れを捉えておこう】
型枠工事の流れをご紹介しました。
型枠工事は建設物を造る上で強度や耐震性など建物のクオリティに大きく関わる大切な工程です。
建物の品質に直接関わってくるため、高い精度の施工が求められ、担当する型枠大工には高い技術と経験が必要です。
型枠大工をこれから目指そうと考えている方は工事の全体の流れと手順を把握しておきましょう。
熊本県の型枠工事は有限会社有働建設工業にご相談下さい。
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業務内容:型枠工事