「型枠工事とは難しい工事なの?詳しい流れや道具を解説します」
日本の建設現場において、コンクリートは無くてはならない存在です。
コンクリートを必要な形に成型する「型枠工事」は高度な技術を要する専門性の高い工事です。
コンクリートを流し込んで正しい形に整える型枠工事について、詳しい流れや道具をご紹介します。
型枠工事とはどんな流れ?
型枠工事は一言で表すと「コンクリートで型を作る」工事です。日本の建設現場において、
橋の柱や家の基礎工事などコンクリートは必須の材料です。
病院や高層ビルなど、私たちの生活はコンクリートに支えられているといっても過言ではありません。
また、地震の多い日本でコンクリートは地震対策にも適しており、需要は拡大しています。
住宅工事から公共事業まで幅広い分野で型枠工事は求められています。
では、型枠工事はどんな流れで行われているのでしょうか。
・拾い出し作業
型枠工事の中で最初の作業は「拾い出し」です。施工予定の図面はあくまでも紙なので、
そこから、どれだけの材料が必要か積算をする必要があります。例えば橋の工事なら柱や何本必要か、
形状はどういったものかを積算し、必要な材料を数えるような作業です。ここから次の加工図へ起案していきます。
・加工図作業
拾い出しの作業で必要な材料がわかったら、次は加工図という図面に移ります。
拾い出しから立体化をイメージし、大工の要素が強まる作業です。
加工図から必要な型枠を切り出していく作業を行います。切り出された材料は加工材と呼ばれており、
材料は主にベニヤ板等です。加工図が誤っていると型枠工事が失敗してしまうので、慎重に行う必要のある仕事です。
・墨出し作業
みなさんは墨出し、という言葉を聞いてどんな作業がイメージできますか。書道などをイメージするかもしれません。
墨出しは「墨壺」と呼ばれる大工の道具を使います。大工が線を引くときに使う道具で、
型枠と建てる位置にマークを付ける作業です。工事の実際の現場で、丁寧にマークを付けていく仕事です。
実際の型をイメージしながら、ズレが生じないように行います。
・建込作業
墨出しの作業でマークをした箇所に、型枠を組み立てていく作業です。ここからは立体的な作業となります。
住宅の基礎工事はこの作業が手短ですが、公共工事になると建込作業にとても時間がかかります。
型枠がコンクリートを流し入れても壊れないように、型枠大工が慎重に確認をしながら組み立てます。
垂直になっているか、歪みはないかなど念入りに確認し、支保工や鋼管でしっかりと固定したら完成です。
型枠大工には緊張する最終作業とも言えます。
・コンクリート打設作業
建込をした型枠に、いよいよコンクリートを流し入れていきます。型枠大工は作業を見守りながら、
コンクリート業者が流し込んでも型枠に異常が発生しないかを確認します。
・解体作業
コンクリートが冷えてしっかり固まったら、最後は型枠を解体して終了です。
公共工事ではこうした作業の工程を繰り返していくことで、
新幹線やダムなどの工事が1つずつ完成していくことになります。
解体が終わると「躯体完成」とも言います。大切な工事の基本を作る作業なので、達成感のある仕事です。
h2型枠工事に必要な道具とは?
型枠工事は専門性の高い型枠大工が従事している作業です。
そんな型枠大工が相棒のように使っている道具とはどのようなものでしょうか。
①セパレーター
型枠工事の際に必須となる「セパレーター」は型枠の幅を決める際に使う金物です。
現場で必須の道具として重宝されており、セパの名称で愛されています。セパレーターにもたくさんの種類があり、
基礎工事に必要なハットや化粧工事につかう丸セパなどがあります。セパレーターは幅を決めるだけではありません。
コンクリートは流し込んでから冷えるまでに、膨大な圧力が型枠に対してかかります。その際に形状を保つ効果もあります。
②ハンマー
古典的な大工道具の「ハンマー」も型枠工事には無くてはならない相棒です。
ハンマーは役目を終えた型枠の解体時に活躍します。また、型枠を作る際のくぎ打ちなどの作業にも使っています。
③墨壺
型枠工事の墨出し作業に使う「墨壺」はユニークな使い方をする道具です。糸に墨を付けて線を引く作業を行います。
精度に誤りがないように線を引ける道具です。加工図通りに作業をするための必須の大工道具です。
④丸ノコ
型枠大工以外でも大工が良く使う丸ノコは、木材を切るための道具です。
型枠工事においては主に加工図を作る際や建込作業の時に使用しています。必要な型を作る際に必須の道具です。
⑤グラインダー
型枠工事の工程の中で、主にコンクリートの切断に使われる道具です。
固くて丈夫なコンクリートを切る必要がある時は、ハンマーで割るかグラインダーで切断しています。
粉塵が舞う作業なので、眼や身体をきちんと保護をして作業する必要があります。
このように型枠大工は様々な道具を駆使して作業を行っています。
一つの工事の施工にはこうした1つ1つの道具が活躍しているのです。
型枠工事とは難しい工事?資格は?
たくさんの工程と道具を駆使する必要がある型枠工事ですが、難しい工事なのでしょうか。答えは「イエス」です。
型枠工事は難しい工事で、熟練した知識や技術が必要です。
では、型枠工事を行う型枠大工には何か資格は必要なのでしょうか。
①入門資格としての「型枠施工技能士」
型枠工事に関わってみたい、そう感じたらまずは是非「型枠施工技能士」を目指しましょう。
難易度は意外と低く、2級でしたら2年以上の実務経験があれば挑戦できます。
1級は7年以上の実務経験が必要なので、まずは2級が入門資格としておすすめです。
②リーダーになれる「型枠支保工の組立て等作業主任者」
型枠工事の現場でリーダーになれる「型枠支保工の組立て等作業主任者」は実は講習を簡単な試験で合格が目指せます。
実務経験3年以上で受験が出来るので、①の型枠施工技能士の2級を取得したら、次は現場のリーダーを目指しましょう。
③あると便利な「足場作業主任者」
型枠工事は足場が必要な作業も多いです。こちらも講習と簡単な試験で取得できる資格なので、持っておくと便利です。
年齢制限がある資格で、実務経験が必要ですが、あると便利な資格の1つです。
型枠工事は建設工事の立役者!
建設現場の立役者ともいえる型枠工事について、流れや道具の視点で解説しました。
関心がある方はぜひ資格の取得を目指して、現場でダイナミックな工事の世界に触れてみませんか。
やりがいのある型枠工事は、目の前で躯体が完成した時に感動します。
型枠工事は公共工事や大切な家を支える魅力のある仕事です。
熊本県の型枠工事は有限会社有働建設工業にご相談下さい。
会社名:有限会社有働建設工業
住所:〒861-8002 熊本県熊本市北区弓削3-21-10
TEL:096-338-0351
FAX:096-243-0031
営業時間:8:00~17:00 定休日:日曜日
業務内容:型枠工事