「どうして型枠工事は重要なの?日本を支える型枠工事の魅力とは」
日本は地震や水害などの災害が多い国です。そのため、大切な建物を災害から守るために橋梁工事や基礎工事などに
コンクリートが積極的に活用されています。こうしたコンクリートの工事には「型枠工事」が行われています。
コンクリートを使うためには成型をする必要があるためです。
日本を支える型枠工事の重要性や魅力についてこの記事でご紹介します。
【型枠工事はどうして重要なの?】
日本の建築現場を支える「型枠工事」は、コンクリートを「使える形」にするための重要な工事です。
確かな強度、設計、密度をクリアしたコンクリートを作るために、寸分の狂いもない型枠工事を行う必要があります。
コンクリートの柱や基礎工事は最初からあのような形で販売されているわけではないので、
まずは形どおりに作ることが必要なのです。型枠工事は設計通りに必要な数のコンクリートを成型できます。
建築現場の立役者、と言っても過言ではありません。
【型枠をつくるということ】
型枠工事の醍醐味は型枠をつくること、と言えるでしょう。型枠の作り方は次のように行われています。
①材料を使って型枠を作る
型枠工事は「型」が必要なので、材料を使って型を作るところから始まります。
一般的な型枠には、せき板と呼ばれるものが使われます。せき板には合板や金属製のパネル、
鋼製のプレートなどが使用されており、強度や精度、用途に分けて適材適所で使い分けます。
軽量で使いやすいプラスチックもせき板に使われています。資材選びも型枠にとって重要です。
②せき板の固定を行う
せき板を固定して枠組を固定していく作業が行われています。この作業は支保工と呼ばれており、
型枠を支える柱として重要な存在です。この支保工の材料には、パイプがメインで使用されています。
型枠工事の中で「システム型枠」はせき板と支保工が一体型となっており、便利なセットとして愛用されています。
コンクリート成型の量産を目指す際に便利です。
③型枠の締め付け
枠を作り、固定したら最後は型枠を締め付ける工程です。締め付けは「締め付け金物」と呼ばれるもので行います。
型枠の幅を締め付け、外れないようにしっかりと固定するのです。型枠の厚みがまばらですと、
成型が失敗してしまいます。厚みが均等になるように固定し、強度を均等化することが必要です。
型枠工事のメインはこのような工程で行われています。日本の技術の根幹にある「ものづくり」への思いは、
型枠工事にも込められています。技術の発展で様々な資材が扱えますが、職人による丁寧な作業も重要です。
・緻密さが型枠工事の魅力
型枠工事の魅力は成型の工程だけではありません。高度な計算を行い、
非常に緻密な数字の元でコンクリートの成型を行っています。つまり、机上の計算と現場の作業が一体となることで
ようやく型枠工事は完成するのです。仕上がりに関して強度と精度に狂いがあってはいけないので、
型枠工事の初期段階で設計を行う際に計算を行います。構造計算、と呼ばれる工程です。
この重要な構造計算は次のように行われています。
①荷重の設定
型枠にはコンクリートを流し込み、冷え固まる作業が必要なため、非常に大きな負荷がかかります。
技術だけでは精度がわからないため、荷重を事前に決めておきます。
②打設の速度
実際にコンクリートを打設する際にどのぐらいの速度で行われるのかを決めます。
③材料とピッチの設定
先程紹介したせき板や、パイプなどの材料のピッチを設定します。
④仮計算
実際に打設した際に材料に対してどのぐらいの負荷がかかるのかを仮計算します。
側圧がどの程度か、などがある程度この段階でわかります。
⑤実際の計算
許容範囲の変形で収まるかどうかを計算します。型枠の変形が許容範囲なら、実際の打設にも耐えうることがわかります。
以上のような計算の工程を行って、型枠工事の設計図が出来上がります。一見難しいように見えますが、
型枠工事の設計図面は計算ソフトがあります。そこに必要な項目を入力していくことで設計が可能です。
荷重の設定には水平荷重、鉛直荷重があります。
・型枠工事における荷重の種類って?
型枠工事の型の設計時には、2つの種類の荷重を知っておく必要があります。
①水平荷重
横方向からかかる荷重のことを水平荷重と言います。建物の設計にも使われる用語ですが、
型枠においては振動などによる影響を想定しています。通常重力は縦方向にかかるものですが、振動は横にかかるため、
想定していない荷重が型に対してかかることになります。作業時には振動も発生するため、
コンクリートにどの程度の荷重がかかるのか想定する必要があるのです。地震や風災なども水平荷重で想定します。
②鉛直荷重
水平荷重が横方向なら、鉛直荷重が縦方向にかかる荷重です。建物自身の荷重、
積載による荷重など重力と同じ方向にかかる荷重を想定しています。
鉛直方向に働く荷重には「死荷重」と呼ばれるものがかかります。これは事前に想定しておくべき荷重のことで、
「型枠本体の重さ、支保工、作業員自身の重さ、施工の際に使う機会の重さ」などを想定しておくことを指します。
不可抗力で発生するものではなく、予めわかる荷重のため死荷重と呼ばれています。
・型枠工事におけるコンクリートの側圧とは
型枠の工事にはコンクリートの自身の側圧も踏まえて作業を行う必要があります。材料やコンクリートの音頭、
打ち込んでいく速度などを想定し、どのぐらいの側圧がかかるのか設定するのです。
コンクリートの側圧には様々な影響が想定できます。例えば、打設をする季節によって外気の温度が異なります。
温度はコンクリートの凝結に影響するので、想定しておくべきことです。型枠の締め付け方法なども影響するので、
十分に想定したうえで設定を行います。コンクリートは凝結するまでは流動性のものなので、
非常に緻密な取り扱いが必要です。型枠大工や現場の職人たちにとって、コンクリートは生き物のような存在なのです。
【型枠にとって重要なことは熱意と技術】
今回は型枠工事における重要な工程や構造計算などに焦点を当ててご紹介しました。
鍛錬された大工による作業も魅力的な型枠工事ですが、緻密な机上での設計作業もとても魅力的です。
様々な外的な要因を想定し、計算を行った上でコンクリートを作り上げているのです。
型枠工事は地震大国日本の建築を支えています。型枠の作業は熱意と技術が重要です。
1つ1つの丁寧な工程が未来を紡いでいます。
熊本県の型枠工事は有限会社有働建設工業にご相談下さい。
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