ー型枠工事の工期はどう決まる?遅れを防ぐための基本知識ー

型枠工事の工期とは何か
型枠工事の工期とは、型枠の建込みからコンクリート打設、脱型して次の工程に引き渡すまでに必要な日数のことを指します。鉄筋コンクリート造の現場では、型枠工事がスムーズに進むかどうかで全体の工程が大きく左右されるため、とても重要なポイントになります。図面上では数日と書かれていても、現場の条件によって実際にかかる日数は変わってきますので、基本的な考え方を押さえておくことが大切です。
型枠工事の工期を意識することで、職人同士や他業種との調整がしやすくなり、ムダな待ち時間を減らすことができます。また、無理な短縮をするのではなく、品質を落とさずに効率よく進めるための工夫を考えるきっかけにもなります。これから型枠工事の依頼を検討している方や、建設業に入りたての方でもイメージしやすいように、工期の決まり方や目安をやさしく解説していきます。
型枠工事の工期を決める主な要素
型枠工事の工期は、「何階建てか」「どんな形の建物か」といった条件だけでなく、現場周りの道路状況や人員体制、使う型枠の種類など、さまざまな要素が組み合わさって決まります。ここでは代表的なポイントを整理しながら、なぜ工期が変わるのかを具体的に見ていきましょう。工期が伸びやすい条件を知っておくと、事前の相談や見積もりの際にも役立ちます。
建物規模と形状
まず一番分かりやすいのが、建物の規模と形状です。延べ床面積が大きくなるほど、当然ながら型枠の枚数や支保工の本数が増え、組立や解体にかかる日数も長くなります。また、シンプルな四角形の平面よりも、出入りが多い複雑な形状や曲面のあるデザインの方が、加工や調整に時間がかかる傾向があります。
階数が増えると、型枠や資材を上階へ運ぶ手間も増えます。タワークレーンやリフトの有無によっても効率が変わるため、同じ規模の建物でも、現場ごとに工期が違ってくるのが実情です。
使用する型枠の種類
型枠工事に使う材料の種類も、工期に大きく関わります。従来の木製型枠は加工の自由度が高い一方で、現場での加工や釘打ちの手間が多く、どうしても時間がかかりやすい面があります。これに対して、システム型枠やパネル型枠などは、あらかじめ規格化された部材を組み立てていくため、慣れている職人がそろっていればスピーディーに工事を進めやすくなります。
ただし、システム型枠でも、現場に合わせた割付や搬入計画がうまく組めていないと、逆に手待ちが増えてしまうことがあります。どの型枠を使うかだけでなく、「現場条件に合った型枠かどうか」「経験のある職人がいるかどうか」も含めて考えることが重要です。
人員体制と段取り
同じ作業でも、職人の人数や経験値によって必要な日数は大きく変わります。熟練した職長のもとでチームがまとまっている現場は、段取り良く進むため、少ない人数でも効率的に工事を進めやすくなります。一方で、人員が足りなかったり、応援作業員が多くて意思統一が不十分だったりすると、細かい手戻りが増え、結果として工期が長引いてしまいます。
また、鉄筋工事や設備工事との取り合いも重要です。先行している他業種の作業が遅れれば、型枠工事も待たされることになります。全体の工程表を共有し、互いの作業範囲とタイミングをすり合わせておくことで、ムダな待ち時間を減らすことができます。
天候や周辺条件
屋外で行う型枠工事は、雨や風、気温などの影響も受けやすくなります。特に、足場の上での作業が多い場合、強風や大雨の日は安全のために作業を中止せざるを得ません。梅雨時期や台風シーズンなどは、あらかじめ予備日を見込んだ工期設定が必要になります。
さらに、周辺道路が狭く大型トラックが入りにくい現場では、資材搬入に時間がかかり、その分だけ全体の工期も長くなります。近隣への騒音配慮から作業時間が制限されるケースもあるため、「どんな場所の現場なのか」も工期を考えるうえで大切なポイントになります。
工程ごとの標準的な日数イメージ
型枠工事の工期をつかむには、全体を一括りに考えるのではなく、「どの工程に何日かかるのか」を分けて見ると理解しやすくなります。もちろん建物の規模や条件によって変わりますが、一般的な流れを知っておくことで、見積もりやスケジュール表の内容もイメージしやすくなります。ここでは代表的な工程ごとに、かかりやすい日数の考え方を紹介します。
資材搬入と事前準備
最初のステップは、型枠材や支保工、金物などの資材搬入と、作業のための準備です。トラックで搬入された型枠材を、現場内の所定位置に仮置きし、図面や割付図を確認しながら整理します。規模にもよりますが、一般的な低層の建物であれば、この準備に一日から数日程度がかかることが多いです。
この段階で資材が乱雑に置かれてしまうと、その後の作業効率が一気に下がります。必要な材料をすぐに取り出せるようにまとめておくことで、実際の組立工程をスムーズに進めることができます。
組立作業
次に、図面に従って型枠を建込み、支保工でしっかりと固定していく工程です。柱や梁、壁、スラブなど、部位ごとに作業内容が変わり、鉄筋や設備配管との取り合いも多くなります。ここが型枠工事の中でもっとも時間のかかる部分で、建物規模によっては数日から数週間におよぶこともあります。
組立作業では、スピードだけを追いかけるのではなく、通りや水平・垂直をこまめに確認しながら進めることが大切です。この段階で精度を確保しておかないと、後のコンクリート打設や仕上げ工事で手直しが発生し、結果的に工期が延びてしまう原因になります。
コンクリート打設から脱型まで
型枠の組立が完了すると、コンクリートを打設し、十分な強度が出るまで養生したうえで脱型します。打設自体は一日で終わることも多いですが、その後の養生期間が工期に影響します。コンクリートの配合や部位、季節によって必要な日数は変わりますが、一般的には数日から一週間程度を見込むことが多いです。
養生期間中は、むやみに型枠を外したり、過度な荷重をかけたりしないよう注意が必要です。強度が十分に出る前に脱型すると、欠けやひび割れの原因になり、補修の手間だけでなく構造的な問題にもつながるおそれがあります。
後片付けと次工程への引き渡し
脱型が完了したあとは、型枠材を取り外して次の階や別の現場へ回収したり、清掃を行ったりする工程があります。解体した部材をきれいに整えておくことで、再利用の準備がしやすくなりますし、資材ロスの削減にもつながります。この後片付けも、規模によって一日から数日程度を要することがあります。
同時に、コンクリートの仕上がり状態を確認し、必要な補修があれば早めに対応します。ここまでの工程がスムーズに終わって、はじめて鉄骨工事や内装工事など、次の工程へ引き渡すことができます。
工期短縮のための工夫と注意点
型枠工事の工期を短くしたいと考えるのは自然なことですが、無理な短縮は安全性や品質低下につながりかねません。大切なのは、必要な工程を省かずに、ムダな時間を減らす工夫をすることです。ここでは、現場で実践しやすいポイントを紹介しながら、工期短縮と品質確保のバランスについて考えていきます。
事前の施工計画と打合せ
工期短縮にもっとも効果的なのは、実は「作業が始まる前の準備」です。現場に入る前の段階で、型枠の割付計画や搬入ルート、仮置き場所、他業種との取り合いなどを細かく検討しておくことで、当日の混乱を大きく減らすことができます。
また、元請け・下請け・協力業者が一堂に会して打合せを行い、工程表をもとに役割や時間帯を共有しておくと、現場での「聞いていない」「知らなかった」といった行き違いを防ぎやすくなります。こうした準備に少し時間をかけることで、結果として全体の工期短縮につながるケースは少なくありません。
スムーズな資材管理
型枠工事では、型枠材や支保工、金物、小物部材など、多くの資材を扱います。必要なタイミングで必要な量が用意できていないと、職人が待たされる時間が増えてしまいます。資材ごとの必要数量を事前に把握し、搬入日や搬入順序を整理しておくことが、工期の安定につながります。
さらに、現場内での保管場所や動線も重要です。歩く距離が長いだけでも、1日のうちのロスタイムは意外と大きくなります。こまめに整理整頓を行い、誰が見ても分かりやすい置き方を意識することで、作業スピードを自然と上げることができます。
品質を守るための限界ライン
工期を短くしようとするあまり、コンクリートの養生期間を削ったり、十分な通り・水平の確認を省いたりすると、後で大きな問題になりかねません。ひび割れや仕上げの不陸、構造的な不具合は、補修に多くの時間とコストがかかります。結果として、工期も費用もかえって増えてしまうケースもあります。
そのため、「ここから先は削ってはいけない」というラインを、現場全体で共有しておくことが大切です。安全と品質を守るべき工程はしっかり確保し、そのうえで段取りや資材管理の工夫によってムダな時間を減らしていく考え方が、長い目で見て一番効率的な工事につながります。
まとめ
型枠工事の工期は、建物の規模や形状、型枠の種類、人員体制、天候や周辺環境など、さまざまな要素が組み合わさって決まります。工程ごとの大まかな日数イメージを持っておくことで、見積もり内容の理解や、現場との打合せもスムーズに進めやすくなります。
また、工期短縮を目指すときほど、事前の計画や打合せ、資材管理が重要になります。無理な短縮で品質や安全性を犠牲にするのではなく、ムダな待ち時間や手戻りを減らす工夫を重ねることがポイントです。型枠工事の工期の仕組みを知っておくことで、発注者にとっても施工側にとっても、納得感のある現場づくりにつながっていきます。
熊本県の型枠工事は有限会社有働建設工業にご相談下さい。
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